2021.03.26
ノンステップ加工匠の技
皆様は深穴加工はどのようにやってますか?一般的には、切りくずがつまらないように1mm単位でステップ加工を行っているのではないでしょうか。
しかし最近よく同業仲間で話にあがるのが、ステップ加工ではなく、ノンステップ加工!!
どうやらノンステップ加工のほうがメリットが大きいようです。なぜでしょう?
ステップ加工とノンスッテップ加工の違い
細かくまめに歯先を出し入れして加工(ステップ加工)していくため、ステップ時に発生する刃先と切削面の擦り現象やキリコの挟み込みによる工具寿命の低下、
加工時間が長くなるなどのデメリットがあります。熱伝導率の低いステンレスなどの被削材の場合は、極端にドリルの寿命が短くなる傾向です。
そこで、ノンステップ加工が工具寿命と加工能率の両面で有効的な加工の手段になります。そのためのテクニックについて以下に説明します。
- 加工条件
切りくずを細かくするには、送り量(mm/回転)、ドリルの回転数(切削速度)を上げること、十分な切削液の供給などが有効です。 - オイルホール付ドリルの活用
オイルホール付きドリルの場合は、刃先に的確な切削液の供給が可能であり、より効果的な加工が見込まれます。
ここまでは一般的なテクニックの説明でした。
ここからは、匠技のご紹介です。
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まずはドリルの刃先を改造します。
この刃先で深穴加工をすると・・・
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切り粉が一本に繋がって削れてます。これなら穴の中で切り粉が詰まる心配がないので、
ノンステップ加工が可能になります。
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リンゴの皮むきのように奇麗につながってます!!
これぞ加工歴65年、匠の知恵と技です!!
今日は深穴加工についてでしたが、やはり経験と知恵に勝るものはないですね。
便利なドリルも売っていますが、御歳82歳の会長が改造したドリルが一番です。
こんな技術を伝授してもらえる環境は宝物です。技はお金では買えませんからね。
若い技術者にもマシンの処理技だけではなく、どこにも負けない手技を習得していって
欲しいと常日頃から思っております。